平成25年度 第1回「販売士塾」開催! 経営環境は少しよくなった!と、感じておられる会員も多いのではありませんか? 消費の最先端百貨店においても株の資産効果といわれる高額商品が好調と伝えられています。大阪では阪急百貨店の増床、グランフロント大阪の開業、あべのハルカス近鉄本店のオープンなど大型化・増床競争が繰り広げられている反面、見えない経営資源としてビッグデータが、成長戦略の切札として盛んに取り上げられています。今回は、最先端の情報技術と豊富な経営指導の実績をお持ちの協会員の横山昌司氏に、小売の現場でどのようにデータが収集され活用されているのか具体的な事例と合わせてお話を頂きました。 |
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平成25年度 第1回販売士塾報告 開催日:平成25年9月27日(金) テーマ:『ここまで進化している小売業データの活用』 ~ヒト・モノの動きがここまでわかる~ 塾 長:横山経営研究所 代表 横山昌司 氏 報告者:河上 晃 平成25年度の第1回販売士塾が9月27日にマイドームおおさかにて開催された。 テーマは「ここまで進化している小売業データの活用」~ヒト・モノの動きがここまでわかる~、塾長は経営コンサルタントとしてご活躍中の横山経営研究所代表横山昌司さんです。 横山塾長の販売体験から経営コンサルタントまでの豊富な経験と知見に基づいた講演内容でした。 カリキュラムは、①売り場におけるデータ活用の実際、②ビッグデータ、③ビジネスデータ分析、で構成され、小売業のデータ活用の事例からビッグデータの概要、さらには身近なエクセルの活用など販売士として身につけておくべきことを分かりやすく講演していただきました。 ①売り場におけるデータ活用の実際 私たちが毎日のようにネット上で目にする「レコメンデーション」や「ショッピン グバスケット」の事例を通してデータがどのように活用されているか。 【事例】ネットショッピング時に(購入側)「この商品を買った人はこんな商品も 買っています」、(販売側)「ある商品と一緒によく売れる商品を発見する」、買 い物かご分析などで収集したデータを顧客の類似性に基づいて分類し、同様の行動 ・嗜好性・パフォーマンス・顧客層などの細目を深掘りした情報に加工して販売提 案に活用している。 ②ビッグデータ ICTの進歩で仕入・在庫・販売・顧客プロフィール・購入履歴・経費などが電子 化され、必要に応じて参考にできるなど、私たち販売士の活用の視点について。 ビッグデータの量的側面、質的側面、今後活用が期待される分野、さらには個々の データにとどまらず、各データを連携させることでさらなる付加価値の創出も期待 できる。さらにデータを利用する側の観点からは、事業に役立つ有用な知見を導出 する特徴として、「高解像」、「高頻度」、「多様性」の3点を挙げられ、利用者 個々のニーズに即したサービスの提供、業務運営の効率化、新産業創出等が可能に なるなどの嬉しい内容でした。 しかし横山塾長からは夢あるお話しばかりでなく、私たちの販売現場に「データを 重要視する風土があるか」というご指摘もいただき、どんな立派なシステムにも成 果を出すには「データ活用に関するアイデアや現場での情報の共有化が必要」との ご指導をいただきました。 講演をお聞きしながらデータを活用して「顧客の属性やライフスタイルに合う顧客 ウオンツに最適な提案」ができれば、私たちの構造的課題と言える「同質化競争」 を脱し、差別化した次のステージへの架け橋になると感じました。 ③ビジネスデータ分析 分析ツールを利用(エクセルで可能な分析手法)では、「ピポットテーブル」の操 作方法、具体的な使用例について。 ピポットテーブルは、一つのシートの大量のデータを素早く集計・分析でき、カテ ゴリーやサブカテゴリーごとの集計、元データと異なる側面から集計結果を表示で きるなど、小売業データの分析・活用に最適なツールです。 また、「ビジネスデータ分析と統計手法の違い」や「分析の因果関係の向きを間違 えない」では、設問や事例を交えて分かりやすく講演いただきました。 今回の販売士塾を受講し、販売士としてこれまで以上に、提供する商品の中に潜在 する顧客のウオンツを細かく捉え、顧客ごとの特定の生活シーンを提案する競争力 のある顧客志向の売り場づくりには、本日のテーマ「小売業データの活用」が必要 だと強く感じました。 |